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干満差の地域差 ― 同じ大潮でも、場所で違う

潮汐

干満差の地域差 ― 同じ大潮でも、場所で違う

最終更新: 2026-08-03

潮汐は月と太陽が起こす現象です。ならば日本中どこでも同じように潮が動きそうなものですが、実際の干満差は場所によって10倍以上違います。

数字で見る地域差

おおまかな目安は次の通りです。

  • 日本海側:0.5m程度
  • 太平洋側:1.5m前後
  • 瀬戸内海西部:3.5m程度
  • 有明海:最大約6m(日本一)

同じ「大潮」という言葉を使っていても、日本海側の大潮と有明海の大潮では、意味している水の動きがまるで違います。潮回りの知識をそのまま別の海に持ち込めないのは、このためです。

鍵は「揺れやすさ」

差を生むのは、海岸線の形状と海底地形による共振(共鳴)です。

福岡管区気象台の説明が分かりやすいので借りると——水の入ったバケツを揺らすと、しばらく揺れ続けます。有明海は南北約100kmと長いため、一回揺れるのに半日かかる。一方、満潮は1日2回、つまり半日周期でやってくる。

海が自分で揺れたい周期と、外から押される周期が一致する。 だから揺れが増幅されます。ブランコをこぐタイミングと押す人のタイミングが合うと大きく揺れるのと同じだ、と気象台は説明しています。

逆に日本海は、海岸線の形や海底地形による固有周期が潮汐の周期と異なるため、増幅されにくく振幅が小さくなります。九州でも有明海以外は最大3m程度で、有明海だけが突出しているのは、この形の問題です。

落差は流れになる

干満差が大きいということは、動く水の量が多いということです。そして水が多く動けば、流れは速くなります。

鳴門の渦潮が生まれるのも、瀬戸内海側の大きな干満差と紀伊水道側の差、そして時間差が噛み合った結果でした。干満差は単なる水位の数字ではなく、その海がどれだけ激しく動くかの指標です。

自分の海の数字を知る

釣り人にとっての実用的な結論はシンプルです。自分が通う海の干満差を数字で把握しておくこと。

「今日は大潮だから流れる」ではなく、「この場所の大潮は何m動くのか」。同じ潮回りでも、その土地の海がどれだけ動く海なのかを知っていれば、他所の情報を鵜呑みにして外すことが減ります。

出典・根拠

  • はれるんマガジン第19号「有明海の潮の満ち引きが日本一なのはどうして?」- 福岡管区気象台 https://www.jma-net.go.jp/fukuoka/chosa/files/harerun0082.pdf
  • 観測場所による潮位変動幅の違い - EICネット環境Q&A https://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=19907
  • 潮位表 - 気象庁 https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/tide/suisan/index.php