
潮汐
潮回り ― 月がつくる、水の呼吸
最終更新: 2026-08-03
釣行前に潮見表を見て「大潮だ」「小潮か」と一喜一憂する。けれど、その言葉が何を指しているのかを説明できる人は意外と多くありません。潮回りは験担ぎでも慣習でもなく、月と太陽の位置から決まる物理現象です。
潮を動かしているのは「起潮力」
気象庁の説明によれば、潮汐の主な原因は起潮力です。月が地球に及ぼす引力と、地球が月と地球の共通の重心の周りを公転することで生じる慣性力を合わせたもので、太陽も同じように起潮力を生みます。
地球は1日に1回自転するので、多くの場所では1日に2回の満潮と干潮を迎えます。潮の満ち引きが「呼吸」に例えられるのは、この規則正しい往復のためです。
大潮と小潮を分けるもの
大潮は、月と太陽が直線上に重なるときに起こります。両者の起潮力の方向が重なるため、潮位差が大きくなる。つまり新月と満月の時期です。
小潮はその逆で、月と太陽が互いに直角方向にずれているとき。起潮力の方向も直角にずれて互いを打ち消し合うため、潮位差は最も小さくなります。半月、つまり上弦と下弦の時期にあたります。
満月の夜に潮がよく動くのは、月明かりのせいではなく、月と太陽と地球が一直線に並んでいるからです。
長潮と若潮 ― 潮が「若返る」
小潮のあと、上弦・下弦を1〜2日過ぎた頃に長潮が来ます。干満差がいっそう小さくなり、満潮・干潮の変化がゆるやかになる状態です。
そしてこの長潮を境に、干満差はふたたび大きくなっていきます。この「潮が若返る」動きから、長潮の翌日は若潮と呼ばれます。名前に込められているのは、単なる分類ではなく、次の大潮へ向かう転換点だという感覚です。
潮回りは 若潮 → 中潮 → 大潮 → 中潮 → 小潮 → 長潮 という並びで、これが2回1組で月の1周期になります。
「潮が動く」ということ
釣りの現場では「上げ3分・下げ7分」がよく釣れるとされ、満潮・干潮の前後の潮止まりは釣果が落ちるとよく言われます。潮が動き始めて約2時間後が目安、という言い方もあります。
これらは経験則ですが、根っこにあるのは「水が動けば餌が動き、餌が動けば魚が動く」という単純な連鎖です。大潮が良いとされるのも、潮位差が大きいぶん水がよく動くからで、逆に大潮の激流が釣りにくさになる場所もあります。
大事なのは潮回りの名前を覚えることではなく、その日その場所で水が動いているかどうかを見ること。潮回りは、その手がかりのひとつにすぎません。
出典・根拠
- 潮汐・海面水位の知識 潮汐の仕組み - 気象庁 https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/tide/knowledge/tide/choseki.html
- 大潮・中潮・小潮・長潮・若潮とは? - Activel https://activel.jp/fishing/XxeIM
- 潮見表で爆釣タイムを予測!潮汐・潮位・潮回りの仕組みと読み解き方 - TSURI HACK https://tsurihack.com/608